STORY
ウェルバランスで飲み心地よい、デイリーに楽しみたいブルボンウォッシュドです。
エルサルバドル北部・チャラテナンゴの高地では、1980年代までコーヒー農園は存在せず、農家は主にトウモロコシや豆といった穀物、野菜、畜産を行っていました。
そんな中で先駆者のひとりとなったのが、ルイスさんとサントスさんの父、フランシスコ・チャコン氏です。
彼は若い頃、西部や中部の農園に出稼ぎに行き、収穫の仕事を通じてコーヒー栽培の技術を学びました。
帰郷の際に持ち帰ったブルボン種の種子を使い、1990年に初めてコーヒーの区画を開いたのです。
残念ながらフランシスコ氏は早くに亡くなってしまいましたが、その後は息子たちが家族を支え、父から受け継いだ土地にそれぞれ小さな農園を築き上げました。
現在の「Finca La Joya(ラ・ホヤ農園)」は、こうした家族の努力と地域の歴史の中で生まれた農園です。
今回のコーヒーを届けてくれたのは、エルサルバドルを専門に取り扱う新しいインポーターのAmbass。
彼らのメンバーのなかには2023年に僕と一緒にエルサルバドルを訪問したメンバーもいて、個人的にも思い入れの深いインポーターです。
今年は彼らにとって初めての入港で、オファーサンプルで買い付けを決めていた自分にとっても緊張の入荷だったのですが、期待以上の素晴らしいクオリティでコーヒーが到着し、本当に安心しました。
Ambassのメンバーが寡黙な兄ルイスと陽気な弟サントスのエルナンデス兄弟に初めて出会ったのは、今から3年前のこと。
それ以来、毎年彼らの農園を訪れ、交流を重ねています。
今年は農園に新しいコーヒーの乾燥台と電動パルパーが設置されました。
それまでは年間およそ3トンのコーヒーチェリーを、手回しのパルパーで精製していたため、彼らの手は大きくごつく、まさに生産者の手仕事を物語っていました。
それでも、まだ資金面での支援が必要な生産者であり、今後も継続的なサポートが必要になります。
農園には「カネロ」という名の馬がいて、雨期の足元が悪い時期にはコーヒーチェリーの運搬を担っています。
農園内ではオレンジやグラナディーヤといった果実も育っており、訪問した際にはルイスが木に登り、その場で収穫した実を分けてくれるそう。
Ambassのメンバーが農園に行くと快く出迎えてくれる暖かい生産者の一人だと言います。
BEANS DATA
- 【生産者】Luis Hernandez(ルイス・エルナンデス)
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- 【農園】La Joya (ラ・ホヤ)
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- 【地域】Chalatenango(チャラテナンゴ)
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- 【標高】1,600m
- 【品種】Bourbon(ブルボン)
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- 【生産処理】Fully Washed, African Bed(フリーウォッシュド、アフリカンベッド)
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