STORY
THE COFFEESHOPのシグネチャーといえるプレミアムクロップのひとつ、"ティピカ・オルランド"のニュークロップが入荷しました!
農園主のオルランド・カルバハル氏は、コーヒーを大量生産して生計を立てるプランを思い描き、開業資金を得るため、アメリカへ2年間出稼ぎに行きました。
その後、コーヒー生産者になりたいという子供の頃からの夢を叶えるため、最愛の妻と共にコーヒー栽培を始めました。
月日が経つにつれて多くの農園を所有し、様々な栽培品種を持つようになり、量から質に目を向けて試行錯誤を繰り返すようになりました。
その結果、2018年のCup of Excellenceにおいて、2位を受賞することが出来ました。

ロス・ピノス農園では、収穫時に2つのバッグを担ぎ、1つには完熟果実、もう一つには未成熟果実と過熟果実を摘み取り、部分的に剪定しています。
パルピングは収穫日と同日に行われ、ドライファーメンテーションを経て、クリーンな水を用いて水洗処理が施されます。
オルランド氏は、以下の5つに取り組んだことがCOE入賞に繋がったと考えています。
1.苗床を作るために土壌を消毒し殺菌した。
2.土壌の酸性度(pH)をバランスよく保つために、石灰を撒いた。
3.土壌を肥沃にするため肥料を施し、葉面散布した。
4.シェードツリーを調整した。
5.収穫したチェリーが発酵しないよう、毎日パルピングを行った。

今回のロットはティピカ種という品種の単独ロットになります。
このティピカ種は、アラビカ原種に最も近いとされる品種で、まるでジャスミンのような華やかなフレーバーと絹の様に滑らかな質感をもっています。
近年、最高級品として広く知られるようになった品種にはゲイシャ種がありますが、ティピカ種はそのゲイシャ種と並び評されることも多い世界でも有数の品種のひとつです。
その鮮やかなフレーバーの代わりに、収量が非常に少なく、病害虫に弱いうえ、木も高く育ってしまい収穫が難しいという栽培がとても難しい特徴も持っています。
そのため、耐性が強く収量も多い他の品種への植え替えが進み、現在ではティピカ種を謳ったコーヒーは全体の0.01%とも言われています。
(なかにはティピカ種の希少性から、それに似た特徴の別のコーヒーをティピカとして流通させることも、あるとか無いとか…)
そんななか、ロス・ピノス農園のティピカは、ただえさえ世界でも数少ないティピカ種ロットのうち、より現生種に近く、純度の高いティピカであると考えられています。
その理由は、ティピカ種の特徴である収量の低さや樹高の高さ、チェリーの実り方が、はっきりと現れていることはもちろんですが、なによりもその優れたカップクオリティにあります。
ロス・ピノス農園のティピカは、農園主のオルランド・カルバハル氏の名前をとり、バイヤー達からは【Typica Orlando(ティピカ・オルランド)】とも呼ばれています。

2021年のホンジュラスCOEでは、同農園のティピカ種ロットが"90.37"というスコアを獲得し、見事3位入賞を果たしました。
また、翌2022年には11位、2023年には7位と、毎年安定した高いクオリティを誇っています。
今年のロットは、ティピカ・オルランドの特徴であるシルクのような滑らかな質感がしっかりと感じられます。
加えて、ロゼワインを思わせる華やかな発酵感が印象的。
鼻に抜けるフローラルな香りは、豆を挽いた瞬間から液体を飲み込んだあとまで続き、どこかラグジュアリーな趣を感じさせるコーヒーです。
また、マイヤーレモンやグリーンアップル、ときにはパイナップルのような果実感と、上白糖のような洗練された甘さを感じ、繊細な美しさを覚えるコーヒーに仕上がっていると思います。
まさしくホンジュラス最高峰、トップオブトップの味わいを、ぜひゆっくりお楽しみください!