STORY
アンティグアの優良農園が手掛ける、スーパークリーンなゲイシャ・ウォッシュド!
このコーヒーは、2023年3月にロースター萩原が訪問させていただいたラ・コリーナ農園が手掛ける、スーパークリーンなゲイシャ・ウォッシュドです!
アンティグアの標高1,700mに位置するラ・コリーナ農園は、荒れた山道をピックアップトラックの荷台に揺られて向かった先にあります。
爽やかな風が吹くとても景色の良いところで、生えている植物、空気の美味しさ、透明で冷たい湧水など、目に映るものすべてが美しい場所でした。
萩原にとって初めて訪れたスペシャルティコーヒーを生産している農園で、本当にたくさんのことを学ばせてもらった場所です。
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一昨年、2022-23ロットでは同農園のパカマラ種を取り扱いさせていただきました。
それも非常に瑞々しくクリーンでとても思い出深いコーヒーなのですが、今回ご紹介するのはゲイシャ種のウォッシュドプロセスです。
カップは、まずゲイシャらしいフローラルノートが印象的。ジャスミンやマグノリア、ときにはピーチのようにも感じます。
酸質は明るいシトラス系ですが、じんわりと甘さを伴っておりスウィートレモンのイメージ。
印象的なのが質感(口当たり)で、シロップのように粘性をもって感じます。
このシロッピーな質感のおかげで、ピーチ感をより強く捉えることができました。
この質感、一昨年のパカマラにも感じたとろみ感で、ラ・コリーナのテロワールなのかもしれません。
総合的にとても素晴らしいポテンシャルのゲイシャだと思います。
それもそのはず、今回取り扱うのは2023-24クロップですが、2022-23クロップでは同農園のゲイシャ・ウォッシュドが見事COEで4位に入賞を果たしています。
これは僕にとっても自分ごとのように嬉しかったニュースでした。
今後さらにグアテマラ・スペシャルティのスターになっていくだろうトニーのコーヒーは、これから先もずっと定番として取り扱い続けたい銘柄になっています。
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『ラ・コリーナ』とは『丘』という意味で、1,700mを誇る高い標高がその名の由来。
現在の農園主であるアントニオ・メディナ氏(トニー)の父親によって名付けられました。
父親から農園を引き継いだ当初、トニーはトウモロコシや豆といった基本的な穀物だけを植えていました。
しかし、コーヒー農園を持つのが夢だったトニーは、様々なコーヒー農園で働きながら経験を積み、1991年に最初のコーヒーの木を自分の農園に植えました。
それからゆっくりと、しかし着実に木の本数を増やし、生産量を増やしていきました。
生産する品種も徐々に増やしていき、現在ではカトゥーラ、ブルボン、パカマラ、ゲイシャを栽培しています。
彼の地道な努力が身を結んだのは2014年のこと。ラ・コリーナのゲイシャ種がグアテマラCOEにて見事22位に入賞しました。
また翌年の2015年には、同じくゲイシャ種が8位に入賞。
今年2023年のCOEにおいても、彼のゲイシャ種は見事4位入賞という快挙を達成しました。
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この美しい土地と、トニーの献身的な栽培、適切で丁寧な生産処理。
それら全てが組み合わさり、プロフェッショナルな仕事が行われることで、ラ・コリーナの素晴らしいコーヒーが作られています。
トニーに農園を案内してもらったあと、奥様に手作りの料理を振る舞ってもらったのですが、今回のオリジントリップの中でも一番美味しいランチでした。
ランチの途中、ウォッシュドを中心に精製を行っているトニーに、「Anaerobicなどに興味はないのか」と尋ねたところ、エクスポーターであるPremaveraのナディーンと顔を見合わせてから「興味ないね。私たちのウォッシュドを飲んでくれればわかるよ!」と言っていたのが印象的でした。